こんにちは。歯科衛生士の田中です。
少しずつ涼しくなってきましたね☆
今回は親知らずのトラブル、智歯周囲炎についてお話します。
「智歯(ちし)」とは、第三大臼歯つまり、親知らずのことを指します。
智歯周囲炎とは、親知らずの周りの歯茎に起きた炎症のことを言います。
歯肉の腫れや痛みだけでなく、口が開かなくなる場合もあり、適切な処置が求められます。
①智歯周囲炎とは?→親知らずの周囲の炎症のこと
親知らずが真っ直ぐに生えてこないと、前の歯との間に隙間ができ、汚れが溜まりやすくなってしまいます。それにより、細菌が増え炎症が起きてしまいます。
親知らずは顎の一番奥に位置しているため、生えてくるスペースが足りず、正常に生えないことが多いです。
傾斜して生えたり、途中までしか生えてこなかったりすると、親知らずの上に歯肉が被った状態になるなど、衛生管理が行いにくくなります。
②智歯周囲炎の主な症状
・歯茎が晴れる
・触ると痛む
・歯茎から膿がでる
・飲み込むときに痛みがある
・開口障害(口が開けづらい)
・顎の下のリンパが腫れる
・何もしていなくても痛みがある
智歯周囲炎は段階的に症状が悪化します。酷くなると顔が腫れたり、発熱・倦怠感といった全身症状が起こる場合もあります。
また、痛みにより水を飲むことさえ困難になる場合もあります。
智歯周囲炎を放置してしまうと、炎症が広がって重症化することもあります。
「頬部蜂窩織炎(ほうかしきえん)」にまで発展すると、頸部の膨張によって呼吸困難に陥るなどの重篤な症状を引き起こすことも考えられます。
体調が悪いときや、免疫力が低下しているときは智歯周囲炎が進行しやすいです。
③智歯周囲炎の治療法
軽度の場合は、炎症が起きている部位の洗浄や抗菌薬の服用によっめ改善することができますが、進行して重度になると入院治療が必要になる場合もあります。
治療によって症状が改善しても、繰り返し炎症が起こる場合が多いため、抜歯を勧められる場合もあります。
症状が強く出ている状態では、麻酔が効きにくかったり、炎症が悪化することがあるため、炎症が治まるまでは抜歯は行わず、痛み止や抗菌薬により炎症を抑えることが優先されます。
親知らずがまっすぐ生えている場合には、他の奥歯の抜歯と大きく違いはありませんが、横に生えていたり途中までしか生えていないと、通常より抜歯が困難になります。
④智歯周囲炎を予防するには?
一番の予防策は、親知らずを抜歯することですが、細菌や汚れが溜まらないようにすることも予防に繋がります。
親知らずの周囲に汚れが溜まりやすいのは、生え方だけでなく、歯ブラシが届きにくいことにも理由があります。そのため、ブラッシング方法を見直し、親知らず付近だけでなく、口の中全体のケアをしっかり行うことが大切です。
また、ストレスや疲れ、抵抗力の低下なども発症に関係しています。
日頃から充分な睡眠時間を確保し、栄養バランスを考慮した食事をとるなどの生活習慣を心掛けることも大切です。
⑤親知らずを抜歯する必要性
親知らずは、智歯周囲炎をはじめ、様々なトラブルの原因となります。そのため、親知らずが生えてきたらすぐに抜歯をした方が良いと考える人も多いです。
しかし、親知らずの抜歯は生え方やトラブルの有無などを考慮して決めます。
特に下顎の親知らずは大事な神経の近くに生えているため、顎の骨を削って取り出すような小手術になる場合もあり、大学病院を紹介されることも多いです。
抜歯したくても、すぐに行えない場合もあるため、早めの歯科医院の受診が大切です。
抜歯の必要がある場合は、炎症が起こっていないときに抜くのが安全です。
トラブルが起きる前に、自分の親知らずの状態について、かかりつけ歯科医院で相談しておくと安心ですね。
市川市行徳(福栄) 予防を中心に小児から入れ歯まで
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個室診療 はぎわら歯科クリニック