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2018.08.07

介護食について

こんにちは!衛生士の簗瀬です。

毎日、暑い日が続きますが皆さん熱中症予防対策しっかりしてますか?
まだもう少し暑い時期が続きますが、夏バテに気をつけましょう!

今回は先日私が出席させて頂きました、日本健康医療学会学術大会主催の市民公開講座
「希望のごはん・おいしい未来がずっと続く食事作り」でのお話をしたいと思います。

講師の保森千枝先生(クリコさん)は介護食アドバイザーとして大変活躍されておられる方でした。
元々は料理研究家だったクリコさん、毎日ご主人に美味しいご飯を作っていたのですがご主人が口腔底ガンになり残ったのは下の歯一本のみになり、下顎も麻痺、手術後、病院の食事を前に、ご主人は食べることを途中であきらめてしまうようになりました。
噛む(かむ)ことが大変で、1時間半かけても半分も食べられず、疲れ果ててしまう、状態を知っているはずの病院でさえ、咀嚼(そしゃく)しやすい食事を提供できていないことに驚いたそうです。
幸いにも「飲み込むチカラ」と「味覚」に問題はありませんでしたが、「噛む」ことができない為、入院中にすっかり痩せてしまい、併発した食道がんの手術も控えていたご主人は一刻も早く体力を回復させる必要がありました。それには食べること。栄養を十分摂ることが何より大切!
ご主人が退院したその日から、クリコさんの介護食作りは始まったのです。

2011年当時 介護食レシピ本は全く見当たらず、病院に相談しても胃ろう(胃壁と腹壁に穴をあけてチューブを取り付け、外から直接胃に栄養剤などを注入すること)を進められるばかりでとても食事というものではありませんでした。
舌と上顎でつぶせる物、うどんは30分も茹でる必要がありました。そんな時間の壁・食品を細かく潰す為の道具の壁・ワンパターンにならない為の少量多品目の壁…
これらを乗り越えてご主人の体重は少しづつ増え体力回復し食道癌の手術も成功し7キロ減の体重も元に戻るのです!

見た目や風味を楽しむのが料理、同じ流動食でも盛り付けで本当に美味しそうで、食欲をそそるのです。大好きだったお肉も挽き肉、山芋、豆腐をミキサーにかけてお肉の形に戻しちゃうお肉シートで何でも作っちゃうのです!

ご主人は仕事に復帰するまで回復されたのですがその後肺ガン再発で亡くなられますが、その時の経験を活かし現在クリコさんは介護食アドバイザーとして著書も書かれ、ご活躍されています。

クリコさんは何度も「工夫が大切 、介護食も毎日の食事作りの延長」とお話しされていましたが何よりもご主人に美味しいものを食べてもらいたい!という愛情が無ければ出来る事では無いな~と感じました。

私にも夫と子供二人、健康でいてくれますが、毎日の食事…ワンパターン化している事に気付いております…工夫と愛情… 本当に大切なお話しを聞かせて頂きました。

※写真は豚肉シート肉で作ったトンカツです!すごい‼

市川市行徳(福栄) 予防を中心に小児から入れ歯まで
「いつでも頼れる街の歯医者さん」を目指す
個室診療 はぎわら歯科クリニック