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2017.12.24

80歳で20本の歯を残す「8020運動」

皆さんこんにちは。歯科衛生士の田中です。
季節はすっかり冬を迎えましたね!

今回は80歳で20本の歯を残す「8020運動」について紹介したいと思います。今日から出来るセルフケアもありますので、是非参考にしてみてください。

日本は世界でもトップクラスの長寿国です。現在の平均寿命は、女性は86.8歳、男性は80.5歳まで延びています。しかし歯の寿命はどうでしょう?
幼い頃、お爺ちゃんお婆ちゃんが入れ歯をしているところを見たことのある方もいらっしゃると思います。
「高齢になる=入れ歯」と思った方もいるかもしれませんが、ケアや予防法で一生歯を残すことも可能なのです。

①8020運動の現状と海外との比較

①-1 8020(ハチマルニイマル)運動とは?

1989年に当時の厚生省と日本歯科医師会が「80歳になっても自分の歯を20本保とう」ということをスローガンに始まった運動です。

①-2 噛むことのメリット

自分の歯で噛むことは、食べ物を砕き美味しく食べやすくするだけでなく、体や脳へのメリットもあります。

  • 胃腸の負担を小さくする
    唾液の分泌が促進され、消化吸収を助ける
  • 虫歯、歯周病の予防
    唾液が虫歯や歯周病の菌を洗い流してくれる
  • ダイエット効果
    満腹中枢が刺激され、満腹感が得られるまでの時間が短縮できる
  • 小顔効果
    固い食べ物や噛む回数を増やすことで、顔の筋肉が鍛えられる
  • 脳の活性化(ボケ防止)
    噛むことで脳に刺激が伝わり、脳の働きを活性化する
  • ストレス解消、うつ予防
    噛むことでセロトニンの分泌が促され、自律神経のバランスが安定する
  • 免疫力を高める
    唾液に含まれる消化酵素によって胃腸の負担を減らし、消化吸収を助けることにより免疫力アップにも繋がる。
①-3 年代別に見る残存歯数

35~44歳…28.1本
45~54歳…26.8本
65~74歳…19.3本
75~84歳…14.2本
85歳~…8.4本
※2011年の調査結果です

①-4 海外との比較

歯への意識が高いアメリカやヨーロッパでも歯を残す取り組みを続けていますが、そのなかでもスウェーデンは70歳の残存歯数が21本という大きな効果を発揮しています。なぜ多くの歯を残せているのか?日本との違いを合わせて紹介します。

  • 予防歯科という考え方を知っている
    スウェーデン…59.6%
    日本…20.9%
  • 予防歯科に取り組んでいる
    スウェーデン…69.3%
    日本…26.2%
  • 歯科医師に対する苦手意識
    スウェーデン…2.6%
    日本…14.0%

幼い頃に「歯医者さんはこわいところ」という意識が根付いてしまっているのかもしれません

  • 歯磨き(デンタルフロスやデンタルリンス)への取り組み
    スウェーデン…68.3%
    日本…48.7%

スウェーデンも昔から予防歯科への意識が高かったわけではありません。1970年代に国家プロジェクトとして啓発がスタートし、効果が表れ始めています。現在では歯が生える前の0歳からケアを行っています。このような取り組みが功を奏しているようです。

②デンタルケア方法

②-1 セルフケア
  • 正しい食生活
    栄養のバランスを整え、砂糖を多く含む食品を取りすぎない
  • 食後のブラッシング
    磨き残しを減らし正しいブラッシングを行う
  • フッ素入りの歯磨き粉の使用
    虫歯予防に効果的です
  • デンタルフロスやデンタルリンスの使用
    歯と歯の間も清潔に保つ
  • 禁煙する
    タバコにより、歯周病が加速します
②-2 歯医者さんでのケア
  • 定期検診
    虫歯や歯周病はなかなか自分では気が付きません
  • フッ素塗布
    初期の虫歯の改善し、歯を強くする
  • シーラント
    歯の溝を樹脂素材で覆うことにより、虫歯菌の侵入を防ぐ(生えたばかりの永久歯に効果的)
  • PMTC
    歯科医師、歯科衛生士による専門機器によるクリーニング

③効果が表れ始めている8020運動

③-1 年代別 歯が20本以上ある割合

1993年のデータと2011年のデータを比較すると、年を重ねるほど歯の保有本数が増えていることが分かります。歯への意識と取り組みの効果が表れているようです。

35~44歳
1993年…94.9%
2011年…99.4%

45~54歳
1993年…82.9%
2011年…95.1%

55~64歳
1993年…58.7%
2011年…81.3%

65~74歳
1993年…28.9%
2011年…60.4%

75~84歳
1993年…10.6%
2011年…40.2%

85歳~
1993年…2.8%
2011年…17.0%

食べたいものを美味しく食べられる幸せは、何ものにも代えられません。体も心も満たされ、さらに元気になることも期待できます。いつまでも自身の歯を残すことは健康寿命を伸延ばすことにも繋がります。
健康診断や人間ドックを行うように、歯の定期検診や予防を行いながら意識を高めることで自分の歯を残すことができます。食べることの楽しみは年を重ねても味わいたいものですね。
早速実践できることがたくさんありますので、皆さん是非始めてみてください。

そして突然ですが、実は私はお休みを頂いて、今ドイツに来ています!
少し現地の実況をしようと思います。

チェコ、プラハ城(聖・ヴィート大聖堂)
お城のある第1区という地区は、町全体が世界文化遺産に認定されています。

旅のメイン、クリスマスマーケットにやって来ました!
今日はドレスデンです。
気温は1日を通して4度~9度ぐらいで、思っていたほど寒くないです。グリューワインを飲むと体がぽかぽか暖まりますが、少し酔いました。

ドイツのスーパーマーケットにやって来ました。
歯ブラシコーナーを見て思いました。どれもこれも、ブラシのヘッドが大きい…!
試しにフロスを買ってみました。2つ入りで75セント!なんと1ユーロ以下で買えました。使い心地は良いですが日本のものより太めなので人によっては引っ掛かりやすいと思います。

パーキングのお手洗いに歯ブラシのガチャガチャがありました。1回1ユーロなのでチャレンジしようと試みましたが、コインが入りませんでした。残念でした!

では、引き続き旅行に行って参ります!

市川市行徳(福栄) 予防を中心に小児から入れ歯まで
「いつでも頼れる街の歯医者さん」を目指す個室診療
はぎわら歯科クリニック