こんにちは。
主任の見崎です!
前回は健康医療学会での“予防”の重要性とお口の健康が体の健康・全身疾患にもつながっているという内容をお話しましたが、どんな病気と関連しているのかを今回はお話したいと思います。
まず、歯周病とはいったい何が原因なのでしょう?
歯周病の原因菌となっているのはCMでもたまに耳にするかと思いますが、“デンタルプラーク=歯垢”なのです。
このデンタルプラークとは、色々な細菌が集団になって出来たバイオフィルムのことです。
バイオフィルムはぬるぬるした糊状のものを作ってお互いにくっつきあっています。
そのため、抗菌性のある薬剤が簡単に浸透できないので、ブラシなどで丁寧に取り除く必要があります。
歯医者さんでブラッシング指導をするのはこのバイオフィルムを取り除き、歯周病や虫歯を“予防”するために行っています!
では、歯周病は体の病気の原因になると注目されていますが、どうしてでしょうか?
歯周病の細菌や炎症が体にも影響し、妊娠・出産や呼吸器感染症、糖尿病、関節リウマチなど下記の体の病気にも関係すると言われています。
歯周ポケット内で作られる内毒素は、直接血流に入り込み、白血球などに取り込まれて体内に入り込むことが一因といわれているからです。
関連している病気など一部ご紹介します。
1.喫煙
喫煙は歯周病発症の環境因子です。
タバコを吸う人は吸わない人に比べて、歯周病になる危険性が約8倍も高くなります。
歯医者さんで禁煙をすすめる理由のひとつですね。
2.誤嚥性肺炎
歯周病の原因菌が唾液と一緒に誤飲され、気管支や肺にまで入り込み、肺炎などの炎症を起こすことがあります。
とくにオーラルケアが行き届きにくくなる高齢者などに起こりやすい病気です。
3.ピロリ菌感染胃疾患
歯周病を起こして歯周ポケット内に住み着く細菌の中にはピロリ菌と似た細菌がいます。
それらを排除しようと免疫反応が働きますが、区別がつかないためアレルギー反応を歯ぐきや胃に起こしてしまいます。
4.妊娠トラブル
妊娠し、胎盤が作られるとホルモンバランスの影響で歯周病の原因菌が全身の感染症を引き起こします。それが妊娠にも影響し、早産や未熟児出産の原因になると考えられています。
妊娠すると歯周病予防ももちろん、虫歯の治療など制限されていくので早めの検診をおすすめします。
5.脳血管疾患・心臓疾患
歯周病による炎症が続く状態は、脳や心臓の血管に悪影響を与えます。
また、歯周病の原因菌が血管に入り込むと、動脈硬化を引き起こすことも考えられています。
6.骨粗しょう症
歯周病の原因菌が血液に入り込むと、歯を支える骨だけでなく全身の骨にも影響し、ボロボロの状態に弱くなります。また、骨粗しょう症になると歯を支える骨も溶けるため歯周病が進んでしまったり、治療内容も注意しなければいけません。
7.メタボリックシンドローム
歯周病があると、歯ぐきの隙間で歯周病の原因菌が作り出す毒素が肝臓でのエネルギー消費を邪魔して、肥満の要因になります。
また、糖尿病になると歯周病が悪化し、その悪化が糖尿病の症状にも影響するという悪循環に陥ってしまいます。
8.関節炎・腎炎
歯周病があるとつねに体は炎症を起こした状態になります。
その炎症により、生じた毒素が関節炎や腎炎の要因になることがあります。
9.皮膚疾患
口の中の細菌が作るたんぱく質が皮膚炎を起こすことが分かってきました。
このようにさまざまな病気とお口の中の健康がつながっています。
当院では初診時に既往歴などを聞いています。
それを基に内容によって血圧を測りながら診療したり、かかりつけの医科等と連携をして患者さんが安心して治療が出来るよう努めています。
※当院は厚生労働省が定める“かかりつけ歯科医機能強化型診療所”の認定を受けています。
みなさんにも歯周病についてご理解いただき、ブラッシング指導等、“予防”のお手伝いが出来ればと思います!
気になる事などあればお気軽にスタッフにお声かけください☆
市川市行徳(福栄) 予防を中心に小児から入れ歯まで
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はぎわら歯科クリニック